Ornstein-Zernike(OZ)方程式の導出
概要
研究で3D-RISM理論を扱うことになり、3D-RISMはOZ式から導出されるので、OZ式の導出をやってみた。カノニカル分布、グランドカノニカル分布、デルタ関数の概要を理解している前提で進める。
1. 分布関数
粒子の座標を、ポテンシャル関数をと定義すると、N個の粒子が座標となる確率密度は
ある物理量の熱平均を以下のように定義する。
デルタ関数を用いた確率密度
微小体積要素に粒子がある確率はと表される。これを拡張し、粒子まで考慮する。つまり、粒子が、粒子が、、、にある確率を考えると以下のようになる。
これを、熱平均することで確率密度を定義できる。
は熱力学的平均をとっているため、エネルギーを考慮した確率である。上記のは粒子1、粒子2、、、を区別している。これらを区別しないでに粒子が一つ、に粒子が一つ、、、という確率密度を考えると
一様な流体では
粒子を区別しない時の関数による定義、つまり、微小体積要素付近に任意の粒子を少なくとも1つ見出す確率は
これをn個の粒子に拡張すると
2. 近距離にある粒子間の相関
との熱力学的平均を計算してみる。
が十分離れている時、となる。近いときには、二つの位置に相関があるので、その相関をとすると
等方的な流体では、距離を用いて以下のようにかける。
気になったので計算してみた(余談)
物理量を考えると、熱力学平均は以下のように計算できる。
さらに、の熱力学平均を考えてみる。上記と同様にして
3. 密度の揺らぎ
密度の揺らぎについて考える。平均値からのずれをとすると
二次のモーメント、つまり密度揺らぎの相関関数を考えると
ここで、とした。ようやく全相関関数がでてきた。
4. グランドカノニカルの分布関数
とすると、
直接相関関数の定義
式(4.4)の逆関数を使って定義する。
5. 鎖則
上記鎖則(5.1)に式(4.4)、(4.5)をそれぞれを代入するとOZ式が得られる。
、デュラックのデルタ関数の性質より